夢を見る
「そう?だったらいいけど」


 雄哉は横顔が冴えない。


 きっと仕事がきついのだろう。


 朝晩メールし合っていたのだが、さすがに過労が続くものと思われた。


 あたしも彼の仕事が営業で、人に頭を下げて回るのが業務だと知っている。


 他人事じゃない。


 営業職ほど、しんどいものはないからだ。


 それに車の運転免許は持ってなくて、バスで通勤していると聞く。


 やがて海が見え始めた。


 まだ水は濁っていて、人も全然いない。


 車を駐車場に停めて降り、ビーチまで歩きながら、


「今日は人がいないわよね」


「ああ。貸しきりだな」
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