テノヒラ

『嬉しそうだけど…
パパ、帰ってこないよ』

あたしは目の前の自分に
話しかけた。

でも、昔のあたしは反応しない。

あたしはそんな自分を横目に、
母が使っていた部屋に入った。

母が使ってた鏡台は
おばちゃんの物が置かれ
部屋自体おばちゃんの荷物置き場になっていた。

『なんだかなぁ…』

あたしは頭をかくと壁にもたれるように座った


帰って来ない父


それを、母はどんな気持ちで待っていたのだろう


この部屋で何を考え

何を思って

生きてたんだろ

あたしに信じてもらえなくて

一人ぼっちで

あたしは当時気付けなかった。

あたしの身体がサインをだしたように

母もあたしにサインをだしてたのに

なんで
信じてあげれなかったんだろう


駄目


後悔ばかりだ。

「あなた
頭がおかしいのよ」

おばちゃんに言われた言葉も頭を支配する。


アタマガオカシイ


そう


アタシハオカシイ
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