うさぎの学習


人が7~8人程座れるカウンターに、4人がけのボックス席が2セット……
奥にカラオケ装置と、少しだけ上段になった小さなステージがあった。


そこは、あまりオシャレとは言えない、都会的な匂いなんて全く0に等しい、田舎のおじちゃんとおばちゃんがカラオケを楽しみに来るような、そんな雰囲気の店だった。


でも?でも?でも?


キティちゃんのぬいぐるみって、あちこちにあるんだけど?


何だか、意味不明。



「いらっしゃいませ~」


誰もいないと思った店内に、女性のハスキーな声が響いた。


と、カウンター内から人の顔が飛び出て!



えええええっ? 目はきついアイラインで囲んでるけど、髪はかなり明る目の茶髪だけど……まだ子供?


……ってか、中高生ぐらい?


「あっ、あのう、昨日電話しました、面接の上田久美子ですけど……」


「あっ、昨日の電話の人か?その辺、何処でもええから座って」


と生意気そうに、その中高生は言った。



 
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