うさぎの学習

久美子は、泣きながら話し出した。

「私……格好とか体裁とか見栄とか、そんな事ばっか考えて、生きてきたような気がする、
ママに出会って、カルチャーショック受けた気分……
ママにもえりさんにも子供がいるって聞いて、本当にびっくりしました、
私……ずっと図書館に閉じ籠ったままだったから……
本では教えてくれない事……ママに教えられたような気がするの」


「久美子……
そんな大袈裟なもんやないよ、ウチが人に教えられる事なんて何もない。
中学もまともに行かんとアホしてたからな……
一つだけ言えることは、自分がこうと思った時、ウチは何が何でも前に進む、それが悪い結果になっても、ウチはちゃんと自分で責任を取ってきた」


「ママのその強さに、私、教えられました、私、実家に帰ろうと思って……、
離婚の事、親に言う勇気が湧いてきたんです、
人の生き方に恥ずかしい事なんて、何一つないって、ママが教えてくれたから……
思い切って皆に宣言しようかな?
上田久美子は、実は何と!バツイチでしたぁ~って」

久美子は……笑い泣きした。

でもその涙は力強くて、明日の為の涙に見えて、ウチは嬉しかった。
ウチらの人生は、まだまだこれからやから。


 
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