―彼氏と彼女―




「……広瀬君…」


「沙智、俺はお前が思ってるよりも、ちゃんとお前が好きだ。

 見た目なんか関係ない。

 だから……ちゃんと信じてくれ」



 言葉に、顔をブンブン上下させる。



「これからは、手を……繋いで、帰ってくれる…?」



 やっぱり止まらない涙を拭いながらそう言うと、広瀬君はあろう事か、


「手だけじゃない。

 キスだって毎日してやる」



 ニヤリ笑って言った彼を見て。


 本当の彼は、実はエッチかもしれない……と思った。




 でも……触れられるのも悪くないな、なんて思いがら、今日何度目かのキスをした―――…。


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