あの空の、あの青。

やっば…まじでしんどいんだけど。
走るとかいつ以来かなぁ…
あたしは運動系無理なんだよっ‼
部活だって運動部じゃないし‼
ってゆっても部活入ってないんだけど。

あたしは、中学の時、荒れていた。
ーたった1人で…。
中学の時から部活には入らなかった。
友達もつくらなかった。
孤独感をもつ意味なんてないって生きてたんだ。
その頃は、色んな先生と先輩から
「うちの部活に来ない?」と誘われてばっかだった。
そういえばあの頃は、なんでもこなしてたと思う。
でもあたしはその頃、あの人を目で追いかけるだけで、精一杯で。
あの人に会いに行くだけで精一杯で。
そのために学校に行ってたから
それ以外は本当にどうでもよかった。
そんなわけだし、友達なんて全然いなかったからよく喋った人だっていない。
唯一喋りかけてくれた人はいたけど
あたしから追い返してやった。

人と関わるのがめんどくさかった。

あたしはあの人に関わる為に学校に来てるんだから邪魔しないで。
陽那に軽々しく喋ってこないでよ。

そう思った日だって多かった。

でも毎日ずっと喋りかけてくる男の子がいて、その人は毎日、
「よっ、ひなちゃん!可愛いなぁ♪ 俺、佐藤 永遠(さとうとわ)。大阪から越して来た。ひなちゃん、俺と仲良くせえへんっ?♪ひなちゃん大好きやー‼」

毎日、喋りかけてきた。
陽那が何回無視しても、会うたび会うたび、あの言葉を言ってくる。
最初はうっとうしかったあの言葉。
"ひなちゃん大好きやー‼"

それはいつしかあたしの心の支えになっていて。
その言葉を聞くためにあたしは、行くんだ。

ーあの"魔法の言葉"を……

そうだよ。あの言葉は魔法だった…。
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