彼と彼女の場合
―――――

「おっ、来たきた!」


待ち合わせの佐久間の店に入ると、カウンターから佐久間の声が聞こえた。

…あいつ、なんか楽しんでるし…。

結城のやつ、何か話したな?


佐久間がニヤニヤしながら指差す方を見ると、既にグラスを持った結城がいた。



「なんなんだよ」


「開口一番それかよ!とりあえずすわれよ。」


宥めるように言われて仕方なく結城の向かいに座った。



「とりあえず、おつかれ」


「ああ、疲れたよ。愛果に会えなかったせいで倍は疲れたな!」


「ふんっ、よく言うよ。お前のせいで愛ちゃん元気なかったぞ」


「はあ?俺のせい?」


「ああ、愛ちゃんがはっきりお前のせいだって言ったわけじゃないけどな。どうせそうだろう」


「どういうことだよ、ちゃんと説明してくれ」





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