社長の旦那と恋い焦がれの妻(わたし)



100人中100人が羨ましいと思うマイホームじゃなくてもいい。


100人中100人がエーッと思うマイホームでもいい。


隣に拓斗さんと瞳子が居てくれるならそれだけでいい。





「嬉しいです。ありがとうございます。私、もっともっと頑張ります」





もっともっと頑張って、もっともっと拓斗さんが過ごしやすいと思う空間にしたい。


今いるこのマンションでも、いつか住む事になるマイホームでも。





「拓斗さん…。大好きです」





きっと私はこの日の事は絶対に忘れない。


こんなに豪華で賑やかで泣いて笑った今日をマイホームが完成した時にまた思い出す。


――二十歳の誕生日は忘れられないと言うけれど、それは本当で私にとって忘れられない一日になった。






< 205 / 452 >

この作品をシェア

pagetop