りある♡プリンス



そして、翔の誕生日当日。




「まひるちゃん」


朝から紗羅ちゃんに呼ばれ、あたしはメイドの部屋に来ていた。




「クッキー、昨夜厨房こっそり借りて作ったの」


紗羅ちゃんの手には、可愛らしくラッピングされたクッキーがある。


お、美味しそう…!





「それでね、今日ね……」


そこまで言って、紗羅ちゃんは言葉を濁した。



「え? 今日……どうしたの?」




紗羅ちゃんは「絶対内緒よ」と言ってからあたしの耳元でこっそりと言った。








「………え?」


「そういうことだから! 絶対内緒よ!」





紗羅ちゃんは「学校の準備があるから」と部屋を出て行った。







…う、そ…………。



あたしはへなへなとその場にしゃがみこんだ。


なんでそんなことだけであたしが落ち込むのかわからないんだけど……。








"翔さんにクッキー渡す時……告白しようと思うの"




紗羅ちゃんのその言葉が、あたしの頭をぐるぐる回り続けた。




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