不器用な恋にコイをした。

この人…たしか。

【愛乃サイド】

「愛!昨日はありがとね。お陰で仲良くなれたよ」

今はお昼休み。教室で
いつもみたいにお話ししながらお弁当食べてる。

「よかったよ。2人がもとに戻れて」

ほんとに良かったって思ってる。
2人が離ればなれになったら
梨子ちゃんが梨子ちゃんじゃ
なくなっちゃうから。

隆弥くんは梨子ちゃんにとっても
私にとっても大きな存在だからね。

「ねぇそれよりさぁ、昨日隆弥に教えてもらった人とメールしたの?」

「あ、う…ん。」

触れてほしくない事だったし
実際忘れてたかも。

「え!男なの!?」

「そ、そうっぽい…」

梨子ちゃんの目がその途端に
真ん丸になった。
私は首をかしげた。

「きゃー!あ、愛が…あの男が苦手だった愛乃が…男とメール…」

「え、そんなに驚くこと…?やっぱいけなかったかなぁ」

まあ、男の子とあまり
話したりメールしたりしないから
そりゃ梨子ちゃんも驚くよね。

「愛!すごいよ!あたし応援する!」

「応援って…。なにも頑張ってないよ?」

そうだよね?なんかあったっけ?
よくわかんないけど。

「え?そうなの?まあ良い結果お待ちしておりまーす」

「隆弥くんに続いて梨子ちゃんまで…」

「なんか言った~」

「い、いえ!なにもありません!」

やっぱり梨子ちゃんには
逆らえないよ~!

「とりあえず。なんかあったらこの梨子に言っておいで!」

「あ、はい。」

そのとき後ろに気配を感じた。

「よっ!楽しそうだな。」

「隆弥!」 「隆弥くん!」

私と梨子ちゃんの声が重なる。

「盛り上がってるときにわりぃけど、ちょっと梨子借りてい?」

「うん。いいよ。」

「最近喧嘩ばっかで梨子不足でな。せっかくだから今日は午後からの授業に梨子参加させねぇようにするぜ」

うわあ隆弥くんったら大胆なことを!

なんか少しだけだけど
梨子ちゃんがうらやましかった。

私も彼氏とこんな風に仲良くしたいなって。

「この変態隆弥…」

あれ?梨子ちゃんの声と表情が
変わった気が…?
まぁそんなことはいっか。

「てことでわりぃな愛乃。下校までには返すから。」

「わかりました」

ラブラブだなあ。
まあいつも私の前では
普通にキスしたりするからね。

梨子ちゃんたちが教室から
出たあとに私は次の時間の予習をした。




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