西澤さんと文子さん

夕方5時38分

「亮太さん。遅くなってすいませんでした。」

文子は慌てて会社のエントランスをくぐる。それを見た西澤がにこっとしながら文子の元へと近づいていく。

「本当に・・・ごめんなさい。」
「大丈夫ですよ。はい、お疲れ様です(笑)」

そういいながら、西澤は文子に缶コーヒーを渡す。

「役所開いてるかな・・・?」

文子のその言葉に、西澤が携帯で検索し始める。
数分後・・・

「文子さん…」

西澤が、少し悲しそうな雰囲気を醸しながらいった。

「どうしたんですか?」
文子がそう言うと、西澤は、パッと携帯の画面を見せる。

「えっ、婚姻届以外にもいるんですね…」

書類の不備が判明。
結局、提出出来なかった。

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