西澤さんと文子さん

「兄貴変わったね。」

「みんな文子さんのおかげなんだ。」

「俺もそう思う。誰とも関わらなかった兄貴が、笑顔で文子さんと話してんだもん。」


「お見合いの後さ・・・今までのこと全部話したんだ。それで、断ったんだけど・・・“無かったことに出来ないです”って一緒になって泣いてくれて・・・」


「俺もそんな出会い探そうかな(笑)」
「お前ならすぐ見つかるって(笑)」

「兄貴には言われると思ってなかった(笑)」

「どういう意味だよ(怒)」
「なんでもないです(笑)」



こんなに兄貴と話したの何年ぶりだろう。



和明の中でそんな気持ちがぽっと湧き上がってきた。

アクティブな自分とは対照的に、トラウマでネガティブになっていた兄、亮太。部屋に篭ってからは、あまり関わることがなく、ここまで笑って話すこともなくなった彼らが、こうやって笑って話している現状が、和明にとっては新鮮だった。

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