西澤さんと文子さん

昼1時

「はい(笑)」

そういうと、母は文子に保冷バックを渡す。


「晩は、引越しで疲れていると思うから(笑)」


保冷バックの中身は、母お手製の晩御飯だった。タッパに入ったおかずやご飯、水筒に入ったお味噌汁など、たくさんの愛情が詰ったご飯だった。


「いつでも帰ってきなさい。」
「はい(泣)」

「亮太。」

「なんだよ。」

「もう、あの時の亮太じゃないんだから・・・今度はあんたが文子さんを守りなさい!」

「わかってるよ!」

「兄貴。」
「なんだよ(笑)」

「いつでも遊びにいっていい?」

「いつでもどうぞ(笑)」
「いつでもお待ちしてます(笑)」


そんな会話を交わし、西澤と文子は新居(旧、文子の一人暮らしの家)へと向かっていった。
< 204 / 254 >

この作品をシェア

pagetop