ズルい人
辿る指先、触れる唇
 「久しぶりだよな、こうやって並んで寝るの」

 私と亮太と竜。小中高とずっと一緒で、性別を超えて3人は仲良しだった。
 けれど竜一人が遠方の大学に行き、一人暮らしを始めたことで状況は変わった。

 取り残された私の中にできた、ぽっかり空いた穴。

 『真帆、付き合おっか』

 ――亮太のその誘いに乗ったのは、寂しさからかもしれない。



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