心の灯り―キミがいてくれたから―

これって『好き』だけど、『好きな人』なのかな・・・?


好きな人ってなんだろう・・・?


陽人のことを考えると心があったかくなる。


陽人が笑っていれば、楽しくなっちゃう。



みんな『初恋』って言うけど、これが『初恋』なのかな・・・?




また冬。


あと数か月で児童館ともさよならだ。



「澪、いつもの!」



2人きりになったあたしと陽人は職員室へむかう。



「「先生!いつもの!」」


声を合わせて言うと先生は苦笑いしながらココアを用意してくれた。


冬、毎日あたしと陽人はお迎えがくるまで職員室のソファで並んでココアを飲むんだ。


いつの間にかあたしの身長をちょっと越えた陽人がココアをフーフーしてる。



「もうすぐ中学生だね」


あたしが言うと「そうだな」と陽人の声。


「陽人は中学生になったら何部に入るの?」


「うーん・・・サッカー部とバスケ部のどっちか迷い中」


陽人は運動神経がいいからどっちもできそう。


「澪は?」


「中学生になったらご飯とか作ろうと思うから部活入らない」


「澪、運動苦手だもんな」


「うっさいなぁ!」


いつも通りの光景。


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