心の灯り―キミがいてくれたから―
第一章

小学生『出会い』


お母さんが病気で亡くなってしまった。


お父さんが言うには「乳がん」って病気らしい。


あたしには全然理解できないけど。


大好きなお母さんの笑顔を見ることが出来ない、美味しいご飯が食べれないことはわかってるつもり。




「桜井 澪(さくらい みお)ちゃん、今日からよろしくね」


児童館で館長先生があたしに笑顔を向けた。


お父さんの仕事が終わるまで、どうやらここで遊んで待ってろってことらしい。


「すみません。仕事を出来るだけ早く切り上げて迎えにきますので・・・。ほら、澪もちゃんと挨拶しなさい」


仕事を途中で抜けてきたお父さんがあたしの頭をつかんで無理矢理お辞儀をさせる。


別に学校終わったらまっすぐ家に帰るのに。


毎日、学校からちょっと離れたこの児童館に通わないといけないらしい。


一人で家にいるのは危ないからだって。


「澪」


お父さんの声にチラっと館長先生を見て、呟いた。


「桜井 澪です。よろしくお願いします」




「じゃあ、迎えにくるまでお利口にしてるんだぞ?今日は澪の好きなオムライスにするからな」


あたしの頭をクシャっと撫でてお父さんは仕事へ戻って行った。


児童館の窓からお父さんの車が走り去るのを黙って見送った。




今日から6年生まで過ごす予定の児童館。


友達出来るのかな・・・?


同じ学校の子っているのかな・・・?


ちょっと、いや、かなり不安になる。


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