ひだまりHoney
大田原さんは笑みを浮かべると、カードレールの切れ目へと車を進ませていく。
顔を上げれば、酔っ払いはお巡りさん二人に支えらる格好で、交番前にいた。
私は肩の力を抜いて、紺野さんと共に歩き出した。
「乗れば触りたくなくても飛びついてくるぞ。アイツは雄だぞ。覚悟しとけよ」
「大丈夫です。犬は雄でも雌でも関係ないですから。可愛いから平気です」
「そうか。平加戸も犬みたいなもんだからな。仲間っていうか」
「紺野さん!」
声を荒げれば、紺野さんが破顔する。
その無邪気な笑みに、また心の奥がじんわりと痺れた。