ひだまりHoney

また聞こえてきた優越感たっぷりの笑い声に、心がざわついた。

「でもさぁ、明日からイベントじゃない? だからなんで今日なんですかって言ったら、早めに誘わないと、誰かに奪われて手遅れになるかもしれないからって……もう本当にドキドキしちゃった」

拳を握り締めていた。

連絡先を知りたかったら聞くかもしれないし、食事だって行きたかったら誘うかもしれない。

でも彼女の話す紺野さんは、偽物のような気がした。

それとも、私が知っている紺野さんが偽物なのだろうか。

よく分からない。

私はお財布を乱暴に掴み取り、声の届かない所へと逃げ出した。

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