ひだまりHoney

男に言い寄られて困っているのだろうかと心配になったけれど……聞こえてくる会話から察するに、女性も熊男を振り回しているようだ。

どっちもどっちのように思え、自分がいる事に気付かれ気まずくなる前に、ここから退散することにした。

「あの運営の男か!? 確か、紺野とかいう」
「そうよ。彼にこれから食事に行こうって誘われてるの。もう行きますから。お疲れ様でした」

もういいやとため息を吐いて、私は踵を返した。

バックヤードに入ると、そこに皆がいた。紺野さんが私に気がついて、走り寄ってくる。

「終わった?」
「……はい。写りは保証出来ませんけど」
「オーケー。みんな、今日はもう上がって。明日明後日、宜しく」

紺野さんの声で、それぞれが更衣室に向かって歩き出した。

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