ひだまりHoney

「き、希世さんは?」

その名前を口にすれば、重々しい心音に体が支配された。

「誘われてないでしょうね……きっと今日の練習試合の事も、晴暉から聞いたのではなく、他の誰かから聞いて知ったのだと思います」

不意にバックの中にしまい込んである、名刺が脳裏を掠めていった。

「あんな性格ですし、知り合いも多いと思います。だから行く場所行く場所で誰かに会ったりもすると思いますけれど……基本的に、晴暉は休みの日に誰かを誘ったりなどしませんよ」

紺野さんの角張った男らしい字を思い出せば、『俺を応援しに来て』という甘く低い声の記憶まで蘇ってくる。

「一人で趣味の時間に没頭してます。黙々とね……でも、珠洲さんは晴暉に誘われたんですよね」

少しだけ頬が熱くなる。

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