ひだまりHoney

させました。


私たちの間に、一瞬の静けさが訪れる。

「妊娠してるのは、私なんです」

遠くで車のクラクションが鳴り、風がザワリと葉を揺らす音がやけに近く感じた。

「……なんだ、木村か――……って、えっ!? 木村が妊娠?! 相手はもちろん晃だよな?」

紺野さんが眉根を寄せれば、すぐそこの茂みから松戸さん桃宮さんが顔を出した。どうやら後を付けられていたらしい。

「絶対大田原さんだ。まじで孕ませやがった」
「有言実行すぎる! 大田原すげぇぇ」

美都里さんは、涙のたまった瞳で男三人を代わる代わる見た。

「何でみんな、口々に晃さんの名前を出すの?」

紺野さんは「いや、だって」と苦笑いを浮かべ、松戸さん達はしまりのない顔をする。

「木村、まだそのこと晃に報告してないだろ? 俺、今日は朝飯も昼飯も晃と一緒だったのに、まったく聞いてないぞ」

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