ひだまりHoney

ききっとブレーキ音が鳴り、窓の向こうが再び明るくなる。


「会社まで一緒に行きたいとこだけど、俺ここで降りなくちゃ……平気?」
「……平気です。本当に、有り難うございました」


助けてくれた男の人にもう一度頭を下げながら、先の言葉を頭の中で復唱する。


か、会社まで、一緒に行きたい!?


ちらりと視線を上げれば、切なげな笑みを湛えた口元が見えた。

助け出してもらっといて申し訳ないのだけれど……そこまでして頂かなくて結構だ。

今さっきの彼の行動が、本当に善意からのものだったのだろうかと、勘ぐってしまう。

普段優しそうな顔の人が、真逆の顔を持ち合わせているということもあると、私はよく知っているのだ。

< 9 / 447 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop