ひだまりHoney
足を踏みならしながら、私はフロアに突入する。
最奥にある人の塊の中に紺野さんを発見し、ずんずんと進む。
私の脳裏には、数日前の早朝、エレベーターの中で見た紺野さんの姿が蘇っていた。
確かにあの時、彼は私を本気で心配していたように思う。
思うけれど……。
「なんで本当に、大田原さんをけしかけたりするかな! 紺野のヤツ!」
もごもごと口内で文句を言えば、何かを感じ取ったのか遠くにいた紺野さんが顔を上げ、こちらを見た。
「おっ、有り難う! 助かった」
どすりとテーブルの上に包みを置けば、紺野さんが「えっ」と呟き、僅かに固まった。
「これで、全部です。では、失礼します」