密の味~そこから先~
彼氏がいるのにマラソンで…


私と雅志は幼なじみで。


いつも一方的にライバル視してた。


勉強でもスポーツでも。


何でも雅志より上でいたくて。


いつもムキになってた。


今日のマラソン大会もそう。


女子で一位になって自慢してやろう。


そう思って。


必死になって走りに走った。


――結果。


私は思い切り派手に転倒したのだった。


「京ちゃんさ、もう僕と張り合うのやめなよ」


保健室へ向かう途中。


雅志がどこか呆れたように呟いた言葉は。


いつもより少し語気が強くて。


私は何も言い返せなかった。





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