密の味~そこから先~
「大事にされてないんだよ、京ちゃん」
自分でもわかっていた現実を突きつけられ、私は思わず――。
「勝手な事言うな! バカ雅志!!」
雅志の肩を乱暴に足蹴にする。
かなりはしたない格好だけど、相手は雅志だ。
羞恥心なんてあるはずもなかった。
「……京ちゃんはさ、もうちょっと自覚した方がいいよ」
「何を?」
「自分が女で、僕が男だって事」
言葉の意味をすぐには呑み込めなかった。
だけど。
直後の雅志の行動で、私は思い知らされた。