理想の恋愛関係
「ねえ優斗君。あの……その会社の子のチョコって言うのは、どういう物だったの?」


デパートに向けてゆっくりと歩きながら、優斗君に質問した。


「え、普通のチョコだけど」

「いや、普通とかじゃなくて……ほら、よく義理チョコとか、本命チョコとか言うでしょ? それによってお返しに買う物も変わると思うし……」


さり気無さを装いながら聞くと、優斗君はフッと笑って言った。


「全部義理チョコだろ? 本命チョコなんて一つも貰ってないよ」

「……そうなの」


ホッとするのと同時にがっかりした。


私のチョコは本命チョコだった。


存在を忘れているのか、友達だから義理としてカウントしているのか。


そもそも私へのお返しはどうなっているのだろう。


会社の子達と同じ物をくれるのか。


それとも、スルーされてしまうのか。


いろいろと思う所は有りながらも、私はデパートに着くなり会社の女の子へのプレゼントを、一生懸命選んでいた。
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