理想の恋愛関係
騙されていたような気がして気分が悪かった。


だいたい見合いの当日に偶然会った時「優斗君の事が好き」とか大声で言ってなかったか?


いや……見合いはその後だったはずだから、その時に彼を好きになったのか?


緑は彼のどこを気に入ったのだろう。


見合いの席で一目惚れしたのだろうか。


「……?」


相手の男性の姿を思い出し、優斗は思わず眉をひそめた。


どうも考え辛い事に思えた。


でも緑は変わっているところが有るから、有り得ない話じゃないと思い直す。




緑はあの相手になんと答えるのだろう。


付き合うつもりなのだろうか。


そんな事を延々と考えていると料理が運ばれて来てテーブルに並べられた。


今日は大食いの緑がいないから、テーブルの上はスッキリしていて寂しく感じる。


「いや……これが普通だ。いつもがおかしいんだ」


ブツブツと言いながら、優斗は料理に手を伸ばした
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