理想の恋愛関係
「優斗君? どうしたの?」


まるで怒っているみたいな、鋭い目付きに怖気づきそうになった。


龍也の言った事を気にしてないから、帰らないで手を引いてくれたと思っていたけど実は違った?


もしかして……すごく怒っているとか?


でも、優斗君が怒る訳が無い気もする。


私の希望としては、この前見たドラマのヒロインの恋人のように、


―昔の男の事なんて忘れろ!他の男に笑いかけるな―


なんて情熱的な台詞を言って欲しいところだけれど、100年待ったところでそんな台詞を聞けない事はよく分かってる。


それなのに怒っていると言うことは……、


―緑さん、いい加減人前で騒ぎを起こすのは止めてくれないか?
 彼はうちの会社の取引先の社員でも有るんだ、変な事に巻き込まないでくれ―


という事だろうと予想した。


ああ……楽しいデートが龍也のせいでとんでもない事に。


再び気持ちが沈んで行くのを感じていると、優斗君が珍しく緊張した様子で言った。


「緑さんに話が有る」


私は直ぐに頷いた。


「分かってるわ」

「え? 分かってたのか?」


優斗君は怪訝な顔をした。
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