理想の恋愛関係
翌朝は、最高に爽やかな気分で出勤した。


「おはよう」


事務所の扉を開きながら、既に来ていた鈴香に張り切って挨拶をする。


「おはよう……え?」


鈴香は怠そうな動きで振り返り私の顔を見た瞬間、ギョッとした顔をした。


「どうしたの? 顔がもの凄く腫れてるけど……泣いたの?」


鈴香は心配そうな顔をして、近付いて来た。


「もしかして……ついにふられた?」


鈴香にしては珍しく、歯切れ悪く言う。


眉をひそめる鈴香に、私はフッと笑ってみせた。


今までは言われっぱなしの私だったけれど、今日からは違う。


「何、その不気味な笑い……」


そんな台詞も気にならない。


だって、私は……、


「実はね、優斗君と付き合う事になったの!」


ニヤニヤしそうになるのを堪えながら言うと、鈴香は、ええっ!と奇声を上げた。
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