理想の恋愛関係
「緑さんが、そんな風に思っているとは思わなかった」


そんなストレートな感想が返って来るとは思わなかった。


「そ、そう……でも本音だから」


他に言いようが無くてそう言うと、優斗君は頷いた。


「分かってる……だから俺も本音を言うよ」

「えっ?!」


まさかそんな展開になるなんて。


優斗君の本音……聞きたくて堪らないけど、怖さも有る。


今日最高の緊張に達した私に、優斗君も緊張した顔をして言った。


「俺は緑さんの事が好きだよ。
 最初はなんて迷惑で自分勝手な人だろうと思ったけど、緑さんの明るさと逞しさにパワーを貰っている内に気付けば好きになっていた」

「……」


これは素直に喜んでいいところ?


複雑な想いの私に、優斗君は少し照れたような表情で続けた。


「今日寂しがり屋なところを知って、意外に思ったけど、もっと好きになった」

「え……」

「多分緑さんが思ってるより俺は緑さんが好きだよ……会えない間、自分の決めた事なのに後悔する時も有った。俺も寂しかったよ」


優斗君は優しい目をしながら言う。


私はもうその場に倒れてしまうんじゃないかと思うくらい、頭は混乱していて。


最初は信じられなかったけれど、だんだんと喜びが身体中に伝わっていって、涙が止まらなくなった。
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