理想の恋愛関係
翌日から仕事に生きる決心をした。


鈴香と始めたフラワーアレンジの仕事も、少しずつ軌道に乗って来ていたし、恋愛は駄目でも私には仕事が有る。


兄のコネもフルに利用して、精力的に毎日働いていた。



「緑、最近はりきってるよね」


「そう? 前から真剣にやってたつもりだけど」


鈴香の言葉に適当に答えながら、顧客のレストランへ向かう準備を進めていた。


「無理に仕事に没頭してる感じがする……ねえ、あの噂はやっぱり本当なの?」


「……何それ? 噂って?」


「龍也に遊ばれちゃったって噂」


「な、何それ?!」


信じられない思いで言うと、鈴香は同情する様な目で私を見ながら言った。


「龍也が自分で言ってたわ。緑とホテルに行ったけど直前で逃げられたって……割り切った付き合いのはずが、彼女の事でヒステリーを起こして携帯も壊されたって……」


「嘘でしょ?」


有り得ない……。


龍也は一体どういうつもりなんだろう。


有る事無いことペラペラ言いふらすなんで。


携帯が壊れた可能性はゼロじゃ無いけど、他は全て嘘ばかり。


ホテルに置き去りにした腹いせだろうか。


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