明日の果て
◆第4章~巡る輪のなかで

*赤の衝撃


 とはいえ、これからどうしていいか解らない。

 そんなとき、スマートフォンがメールの着信を伝えた。

「!」

 その相手に眉を寄せる。

<ねえ、お願いだから会って>

 真里のメールを一瞥し、削除した。

 理由を述べられない現状で会ったところで意味がない。

 だからといって、元の状態に戻る事も剛には出来ない。

 真里はそれを望んでいるのだろう。

 けれど、自分の心と彼女に嘘を吐き続ける事は剛には苦痛だ。

「ジェティス……デイ、どこにいんだよ」

 室内は外の世界と遮断されたように、聞こえてくる音がやけに非現実に感じられた。

 剛にとっては、デイトリアという存在が現実になっていた。

 今更、そんなものは無かったのだと言われても無理な話だ。


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