明日の果て

*同居


「荷物はそっちの部屋に、置いたらこちらに」

 促されるまま、剛はデイトリアという女性のあとに続く。

 結局、剛は会社を辞めるハメになった。記憶を消されたり殺されたりするよりは、いくらかだがマシだと考えて我慢する他は無い。

 あのあと数日の間(あいだ)、この2人は剛の前に現れなかった。

 そして、再び現れたデイトリアの瞳が青くて剛は驚いたが、青かろうが赤かろうが、やはり見つめられると怖くなる。

 人間の奥底の弱い部分に触れられるような、そんな感覚だ。

 どうして青いのかと尋ねたら、人として生活しているからだとか。

「なあ、なんだってこんなことになったんだ?」

 何かを言いかけた彼女に尋ねると、デイトリアは小さく溜息を吐き出し振り返った。
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