トキモライ



「…見て行けば、わかりますよ」

ユキはそう、静かに囁いた。
ユキの様子が、明らかにさっきからおかしい。


「でも、これだけは言っておきます」

ユキは間を置いて、言った。




「あなたよりも、歩美さんの方が、死にたかったんです」


……知らなかった。
お母さんから、何も聞いたこと無いから。

お母さんは、ずっと、苦しかったんだよね……。




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