理想の恋愛

プロローグ:鬼の担任

「えー、そうして光源氏は…」


 騒然とした席替えも無事(?)終了していよいよ授業に入る。


―あいかわらずマッキーの授業はある意味すごいな…―


 というのも、黒板には所せましと一面にハイクオリティーな絵が描かれているのだ。

 しかも、腐女子要素満載な漫画的な絵である。


「光源氏はこうして紫上を無理矢理という形で連れ帰ったのです」


 さらに、感情がこもった場所ではどこか演技がかった口調で授業を進めている。

 特に、喜怒哀楽でいう、怒と哀の部分の表現が激しく、それはもうまさに地獄絵図のようなものである。


―毎度のことだが、マッキーの授業って恐怖だよな…―


 今でこそ、この授業に慣れてきているが、初めてマッキーの授業を受けた時は本当に恐怖でしかなかった。
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