恋の魔法
大好きな後ろ姿を見つけ、思わず走った勢いで抱き着いてしまう。

郁ちゃんの香水の匂い好き……。

…幸せ。




「……雅。学校では先生だろ?あと、抱き着くのは辞めなさい。」


ぺしっ。
頭を叩かれてしまった。
渋々、抱き着いていた手を離す。



あぁ、それにしても……
今日もカッコイイ……。


どうしてそんなにスーツが似合うの?
眼鏡が似合うの?
髪型がカッコイイの?


……絶対日本一!!
いや、世界一!!



「…雅、聞いてんのか?」


背の高い郁ちゃんが背の低いあたしにあわせて、屈んで聞いてくる。


「え、え??何?聞いてるよ。」


「じゃ、俺行くから。真面目に勉強しろよ。」


あたしの髪をくしゃくしゃと触って、郁ちゃんは職員室に入ってしまった。
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