高校生ー揺れる関係ー
けど、その有紗の姿を見て、私は目を疑った。
だって、有紗が泣いてるんだもん。
私は、思わず立ち上がって、有紗を弁当食べてた席の陰に座らせた。
で、私と歩は、そんな有紗を隠すように席に着いた。

そして、有紗は、私のスカートのひだを持ちながら、何かを小さな声で訴えていた。
私は、有紗の口元に耳を寄せて、聞いた。
そしたら・・

「歩夢・・・どうしよ。
私、もうどうしていいか分かんない。」
「え?」
「冬馬への気持ちが分からなくなった。」
「それって・・自分の気持ちがだよね。」
「うん・・。」
「それ、もうちょっと詳しく話してくれない?」
「うん。
あのねぇ・・もう冬馬のこと好きじゃないの。」
「そうか・・」
「でもね・・付き合ったころは好きだったよ?
けど、今は・・そんな感情、湧いて出てこないの。
おかしいのかな?」
「おかしくない…と思うよ。
それって、単なる停滞期でしょ。
普通のことだよ?
だから、これ以上自分を責めないで・
ねぇ?」
って、私は、有紗の肩を掴み、有紗と同じ目線になった。
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