高校生ー揺れる関係ー
「・・・着いたよ」
と、お母さんが不機嫌丸出しの声で駅の前に止めてくれた。

「あ、ありがとうございます。
あ・・あのぉ?
帰りは電車で帰ればよろしいでしょうか?」
と、引き気味に聞いたら、お母さんの眼鏡越しでキリっと睨みつけられ、
「・・・・
勝手にすれば?」
と、冷たい口調で、返された。

さすが、私の母。
寝起きがすさまじく悪い。
いつも温厚な母がとてつもなく怖いのは気のせいだろうか。

今なら、お父さんよりお母さんの方が断然怖い。
「勝手にさせていただきます。」
としか、言えなかった。
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