わたしとかれのじじょう

忍くんは相変わらずだった。

昼休みか放課後にフラッときて
フラッと帰っていった。


今日も忍くんは昼休みにきてフラッと帰っていった。

その後姿を見送りなんだか寂しく感じていたら、

「美波さー、竹内のこと好きなの?」

公佳がサラッと聞いてくるから、狼狽えてしまう。
慌てて忍くんの後姿から目をそらして公佳を見ると
人の悪い顔して笑ってる公佳がいた。


あー、公佳も腹黒いもんね、そうだった。

「う、ん。好きなのかな、たぶん。」

「そうなんだね、ふーん。」

ニヤニヤ笑う公佳。

「公佳、気持ち悪い顔して笑ってる」

悔しくて公佳を睨みながら言うと
ふふふって今度は嬉しそうに笑いながら

「よかったー。気付いてないのかと思ってた。」

なんだか幸せそうな顔して言われるものだから、なにも言えなくなってしまったけど。
最近竹内への態度ぎこちないでしょ?
そこでピンときたんだよね、と笑う公佳はとってもはしゃいでた。

「美男美女カップルの完成ね!」

「でも、忍くんがどう思ってるかはわからないから…」

下を向く私に絶対大丈夫だから、と背中を押してくれた。


そこから何回か昼休みに来てもらったり放課後に来てもらったりして、

夏休みが始まる前に私たちはどちらからともなく好きの確認をして始まったんだ。

暑い夏のある日だった。
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