LOVE*TRAIN






結構高そうな万年筆。
よく見ると、名前が彫られている。
きっと特注品なのだろう。



筆記体で"Masato.K"と書かれていた。



マサト、さん……


心の中で名前を呼んでみた。
素敵な名前。
初めて会話したあの低く柔らかな声を思い出し、何だか照れ臭くなる。




マサトさんって言うんだ…
きっと、大切なものだよね。
駅に着いたら駅員さんに届けようかな。




私はふふふと笑って、その万年筆を胸ポケットにしまったのだった。








< 7 / 17 >

この作品をシェア

pagetop