MYG倶楽部 〜まるで夢のような学校生活のために〜
「んで……治香無。さっきアレを投げたのはお前か?」


傷は自分の背後にある、多数のナイフが突き刺さった扉を振り返りながら訊ねた。


「あぁ、ソレ?ソレは僕じゃなくって―――」


「……俺様だ」


「ん?」


治香無の言葉を遮って、別の人物の声がした。


傷がそちらを見やると、部屋の奥の方に置かれた薄緑色のソファが目に入った。
ソファの上には真夏だというのに大量の毛布が掛けられており、小さな山を作っていた。


その中から。












モゾリ。














一人の男子生徒が起き上がった。


「あんたは…」


「こうして実際に話すのは久々だな、傷」


< 132 / 138 >

この作品をシェア

pagetop