MYG倶楽部 〜まるで夢のような学校生活のために〜

詰め寄る傷に、淳夜はビル・ゲイツを盾にして隠れた。


「だって、傷は自分から他の人間に喧嘩を売ったりはしないだろう？」


「当たり前だ！お前らと一緒にするな！」


「だったらそれでいいんだよ！！ちょっ、傷、殺気出すのやめてくんない？それこそが掟なのさ！」


「はぁ？」


傷は進めていた足を止めると、素っ頓狂な声を上げた。


「《大人達の目に止まらない為に、争い事の際には必要最低限まで被害を留めておく事。》その目安として、自分と同じ県に住んでいない中学生には手を出してはいけない事になっているの」


「琴ちゃん……」




「なんか何気にいいセリフ取られた！」


「いいじゃん淳くんは何ページか前に義務教育だのなんだの小難しいセリフがあったんだから。言葉において琴ちゃんに勝てる人なんていないよ」


「ワン！」


「くっ……ビル・ゲイツまで……！」





「…………お前らうるせぇよ…………」