MYG倶楽部 〜まるで夢のような学校生活のために〜

「お〜い、皆〜！！！」


「お？」


三辺家を出てから数分と立たないうちに、聞き覚えのある声がした。


「大志！伊丹兄弟！！」


三人の人影が、脇の坂道をかけ上がって来るのが見えた。


傷達のいる所に着くと、夏杞が口を開いた。


「何か今日はたくさんいるねー、淳夜さん達って通学路こっちじゃないっしょ？」


「オレはビル・ゲイツの散歩がてら傷ん家で朝ごはんを頂いたのさ」


「わんっ！！」


「あー、なんかソレ思い出させないでくんない？」


「私は気分でここまで来ちゃったの」


「おれも気分でここまで来ぐはっ！！」


琴葉に続いた久保の腹に、すかさず淳夜がボディブローを決めた。


「げっふぅ……！き、貴様、何をする…………！！！」

「いや、別に……？そう言えば昨日写真を盗み撮りされたのを今思い出しただけだけど……？」


「何その妙な時間差攻撃！！何故おれがストーカー発言をした時に思い出す！！」


「へたれたストーカー男に、世間が優しい目を向ける訳が無いだろうが！！」


「今世間の目関係無くねぇ！？」


「行けっ、ビル・ゲイツ！！！！」


「わんわんわんわん！！！」


「ちょっ、それ反則―――ギャアアアァァァッ！！」





「…………あんたも大変だな、琴ちゃん」


「もう諦めたわ。これも青春だと思う事にしたの」


「……違う気がする」