この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止

「ならいい。俺のテクニックは門外不出だからな。マネされたら困る」


橋倉さんがマネするワケねぇだろ! と心の中で突っ込みを入れていると隣の橋倉さんが湯気が出そうなくらい赤い顔して、また一心不乱にテーブルを拭いている。


「橋倉さん?」

「あ、あ、私、何も聞いてませんから……ぶ、部長がどんなテクニックをお使いになるかなんて興味ありませんし、あ、いや、知って損はありませんが……恐れ多くて想像も出来ません」


橋倉さん、絶対、想像してる。


けれど、銀は全く反応を示さず、運ばれてきた特大のエビフライを食べながら私に「今晩は暇だから飲みに行くか?」とデートのお誘い。


「別に、いいけど」

「橋倉君も来るか?」

「へっ? 私もですか? せっかくのデートなのに……よろしいのでしょうか」

「いいよ。ホテル行く時は帰ってもらうから」

「ゲホッ……銀、なんてこと言うの!」

「なんだお前、3人でシたいのか? そんな趣味があったとは初耳だな」

「だからぁ~そんな趣味有るワケないっしょ! もう銀は話さなくていいよ」


銀との会話は頭が痛くなる。


そして、橋倉さんを見ると"只今、妄想中"って感じのヤバい顔してござる。


ハァ~……私の周りは妙な人間ばかりだ。




……で、ひと昔前で言うとこのアフターファイブ。


私と橋倉さんが地下の駐車場で銀を待っていると低いエンジン音をたて、あのポルシェが現れた。


そして、開口一番、銀の言った言葉は……


「この車は2人乗りだ」


なんでそれを今言う?


「2人乗りって……3人居るのよ。どうすんの?」

「ひとりはタクシーだな」

「はぁ~? 高いくせに、役立たずの車だねぇ」


腹いせにポルシェの横っ腹をポコンと蹴ると降りてきた銀にボコボコにされ「お前はタクシーだ!」って怒鳴られ置いてけぼり。


最悪だ……



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