この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
不信感溢れる視線。またひとり、敵を作ってしまったか?
微妙な雰囲気の中、タバコをもみ消した銀が立ち上がる。
「俺は今から出る。早く俺の補佐が出来る様しっかり仕事覚えろよ!」
「行ってらっしゃいませ」
橋倉華がすかさず頭を下げるものだから、私も慌ててチョコンと頭を下げる。
爽やかな笑顔……その笑顔にみんな騙されるんだよな〜見た目だけは最高にイイ男だもん。
部長室を出た私と橋倉さん。彼女に案内されたのは、窓際のデスク。
「ここがあなたの席です。仕事内容は、基本、部長の補佐ですが、それ以外の時間は他の社員同様リゾート施設会員権の営業をしてもらいます。
私の隣だから、分からないことがあったらなんでも聞いて頂だい」
「はい、有難うございます」
デスクの上には電話機と真新しいノートパソコン。
うわぁー! このパソコン最新式じゃない! 高そう……
興味津津でパソコンを開き電源を入れる。すると……何? 何? 何?
いきなりメールが送信されてくる。
あれよあれよという間に、凄い勢いで貯まっていくメール。ほんの数分で30件って……
ビビリながらメールを開くと……
はぁ?
一番最初の送り主は、橋倉華?
隣りに居るのに、わざわざメールって……
チラリと橋倉さんを見ると彼女は早くメールを読めとばかりに、私のパソコンに向かって顎をクイクイさせる。
もぅ〜なんなのよ……