この恋、極秘恋愛につき社内持ち込み禁止
「だ・か・ら、ミーメは、俺と居ればいいんだよ!」
「マジ?」
「しゃあねぇだろ? 抱いちまったんだから」
「何それ! 嫌々ってこと?」
「まぁ、そんなとこ」
「無理して一緒に居てくれなくてもいいよ。別に、初めてってワケじゃないし……」
「バーカ! 嘘でも処女のフリしろよ。可愛くねぇな~」
「どーせ、私は可愛くないですよー」
「ったく、まぁ、そんな女だから惚れたんだけどな……」
「えっ……」
嬉しかった。銀の言葉が堪らなく嬉しかったんだ。
私は独りぼっちじゃない。そう思えて、涙が出るくらい嬉しかった。
この狭い小さなアパートで、これから先も銀とふたりで生きていければ、それだけでいいと思った。
なのに…
この日を境に、銀が少しずつ変わっていったんだ。
今まで真面目に勤めていたスーパーのバイトもちょくちょく休むようになって、理由を聞いても『勉強が忙しい』とか『卒論の準備がある』とかで家を空けることが多くなった。
そして、チラチラと小雪が舞うとても寒い12月のある日。銀は何を思ったのか、ご機嫌でケーキを持って帰って来た。
「どうしたの? このケーキ」
「んっ? ミーメの誕生日の祝いだ」
「はぁ? 私の誕生日は5月だよ。なんで、今更……」
「その頃は金も無かったし、まぁ、ちょっと遅れたが、気にするな」
遅れ過ぎだろ?
銀の意味不明な行動は今始まったことじゃないし、それほど気にする事無くそのケーキを食べ終え、大満足で銀にお礼を言った時だった。銀が思いもよらぬことを口にする。
「俺、ここ出てくよ……」