かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
「あたし、今まで、親子なんだし、お母さんには気持ちを言わなくても伝わってると思ってたの。でも、そうじゃないんだよね。それをさっき、間宮さんに教えてもらったの」

「間宮さんって、お客さんの彼?」

「うん」


それでね、とあたしは続ける。


「あたしがおばあちゃんのことをよく話題に出していたのは、お母さんとおばあちゃんの仲を取り持ちたいと思ってだったの。お母さんも本当は好きなんだよね、おばあちゃん」

「……そうね、母親だからね。好きっていうのとは少し違うけど、何十年もうまくいっていなくても、嫌でも気にかかるものよ」

「ふふ、そっか」

「なによ、笑うところじゃないでしょう」


お母さんは伏し目がちにふっと笑って、少しだけ胸の中の本音をのぞかせる。

おそらく、2人が衝突してしまうのは、親子だからこそなのだろうと思う。

あたしだってさっき、お母さんに大声を出してしまったのだ、そういうことは、きっとどこの家庭でも普通に起こっていることだ。


お母さんとおばあちゃんの場合は、あたしから見ると、こじれすぎて、お互いに余計な意地を張りあっているように見える。
 
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