かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
暗いため、その写真がどういうものなのかは分からなかったけれど、どうやら表向きに置かれてあることが、なんとなく察せられた。

というのも、床は砂利だらけで、壁も床も、コンクリートの冷たく無機質な感じが、ひどくもの悲しい雰囲気を醸し出しているのだ。

そんな中で、大切な写真立てを伏せた状態で置くというのは、なかなか考えられなかった。


「すみません、あたし……っ。でも、写真立ては本当に見ていないんです。信じて……」

「分かってるよ。うっさいな、もう。1日中、何もしないでここにいたんだぞ、俺の誤解だったことくらい、いくらでも考えられたし」


写真立てに少し目をやりながら謝ると、間宮さんに途中で遮られ、そう言われる。

声の調子は、いつもの平淡な感じに戻りつつあるようだったけれど、やはり、言葉の節々には刺々しさがにじみ出ていて、その怖さから、思わず一歩、後ずさってしまう。


「怖いか」

「……」


すると、抑揚なく間宮さんが口を開き、後ずさりをしたことについての質問か、それとも、ほかのことについての質問かが、とっさには分からなかったあたしは、ぐっと押し黙る。

そうすると、間宮さんはひとつ、深く息をはくと、写真立てを拾い上げ、こう言った。


「……場所を変えよう」
 
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