かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
……まあ、部屋の掃除に10分、洗面台の掃除に10分として、20分もあれば、男の人ならもう食べ終わっていても不思議ではない。

けれど、間宮さんが階段を上ってくる足音にも気づかずに掃除に没頭していたとは、あたしもたいがい、掃除好きなのかもしれない。

すると。


「で、これからお前はどうすんだ? 民宿の仕事、これでとりあえず一段落なんだろ?」


部屋に入ってきた間宮さんが、物干しに干していたタオルや服を取り込みながら聞いてきた。

あたしは、少し考えて。


「……自由時間、でしょうか。勉強したり、おばあちゃんとお茶したりするつもりです」


特に予定もない、というか、それくらいしか思い浮かばず、正直に答えた。

去年までは、ハルと海に行ったり、展望台に行ったりと遊びに出たりもしていたけれど、今年は彼女ができて、掃除機の一件以来、気まずいままで、会ってもいない……。

どうにか仲直りするきっかけはないかと思っていても、あたしのほうから声をかけるのは、なかなか勇気がいるし、ためらわれていた。


「ぷっ。ヒマ人め」

「……な、なんですか。間宮さんだって同じようなものじゃないですかっ!」

「俺はどう時間を使おうが別にいいだろ。わざわざ泊まり先で勉強なんてするかバーカ」
 
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