かけぬける青空は、きっと君とつながっている
 
あたしたちが直感したこと、それは「青い空の向こう側に行く」という言葉自体が、あたしへの“さよなら”だった、ということ。

間宮さんは本当に、最後の最後まであまのじゃくぶりを発揮したまま、去っていったらしい。

それが実に間宮さんらしくて、笑っているうちに、なんだか涙まで出てきてしまう。


「ちゃんと言ってもらってたじゃん」

「ほんっと分かりずらい人だよね、間宮さん」


ハルと香ちゃんに、泣き笑い顔で頷く。

そっか、あたし、面と向かってちゃんと“さよなら”を言ってもらっていたんだ……。

やけに手の込んだ“さよなら”は、こうしてようやく、あたしの心の奥深くへ、ふわりと落ち着くこととなり、そのふわりとした感触を確かめるように、そっと胸に両手を重ねる。


そうすると、トクン、トクンと心地いいリズムで心臓が鼓動を刻んでいるのが分かり、あたしの心は、なんとも言えない爽快感に包まれる。

今まで、必死に思い込もうとさえしていた、さっき思ったような決意が、すーっと全身に染み渡っていく感覚が本当にあって、ああ、無理せずあたしのペースで進めばいいんだ……と、肩に入っていた力が、いい意味で抜けてくれた。
 
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